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2008年6月27日 (金)

決着となるか――諫早干拓訴訟

原告一同にとっては
歴史的勝訴と言っていいかもしれません。

『諫早干拓訴訟:国に排水門の開門命じる判決 佐賀地裁』 毎日新聞

『有明海の漁業被害で開門命令・佐賀地裁判決』 izaニュース

『諫早湾干拓事業、5年間の水門開放を命じる 佐賀地裁』 日本経済新聞

『諫早干拓訴訟:農水省も騒然 幹部、判決に「まさか」』 毎日新聞

『沿岸4県に開門の協力要請 佐賀地裁判決受け漁業者ら』 izaニュース

『諫早湾訴訟判決、民主党・菅代表代行「非常に画期的」』 朝日新聞

『環境省 諫早湾干拓事業環境影響評価レビューのフォローアップ報告書に見解示す。』 EICネット

『「新たに問題出てくる」長崎知事諫早湾“開門”を批判』 izaニュース

沿岸地域の冠水被害を緩和するため
この地域に国が乗り出したのが
国営諫早湾干拓事業です。

湾に潮受け用の堤防を構築する
一大公共事業は、計画段階から
地元住民や漁業関係者から反対が相次いだものの
1997年に着工されます。

1999年には堤防が完成。
(堤防構築は、事業の一部)
一方で、その翌年から「のり」の色落ちや
赤潮被害などによる
大凶作が続くことになったのでした。

2001年には、当時の農水相(武部氏)が
工事中断を表明するものの
新たな組閣による大臣の交代で
翌年には工事が再開。

2004年には佐賀地裁で
工事差し止めの仮処分が出されましたが
翌年の福岡高裁では、これを取り消し
さらに最高裁で確定と
これまで、圧倒的に原告敗訴の歴史でした。

国(農水省)が2533億円もの
巨額の資金を投じた上に
環境破壊を行ったとすれば
(しかも事業としても赤字!!)
責任の取り方を知らない役人の方々は
どうして良いか分かりません。

事実、事業と漁業被害との
因果関係を結びつけるものは無く
しかしながら、調査に応じない国の姿勢を非難するという
今回の司法判断は
原告側の感情を、大いに揺さぶったことでしょう。

これに対し、国が強訴することは間違いなく
まだまだ原告は油断できませんが
個人的には、この5年間で
精確な調査を基に、因果関係の有無を
明らかにしていただければと切に願います。

それからでないと
この事業の是非は判断できません。

ところで、文科省の外郭団体である
科学技術振興機構が作成した
「失敗知識データベース」の中では
「国営諫早湾干拓事業による漁業被害」
として、すでに例示されています。

しかも、失敗に至るプロセスについては

  組織運営不良、管理不良、監理不良、
  企画不良、戦略・企画不良、
  利害関係未調整で事業開始、誤判断、
  狭い視野、社会情勢に未対応、
  調査・検討の不足、事前検討不足、
  環境影響調査不十分、計画・設計、計画不良、
  走り出したら止まらない公共事業、
  非定常行為、変更、裁判所による工事差し止め命令、
  二次災害、環境破壊、赤潮発生、漁業被害、
  社会の被害、人の意識変化、公共事業不信

――これでもか、というくらいの列挙がなされています。

確かに、これまで法的には
国側の敗訴にはなっていないものの
訴訟が発生している時点で
失敗なのかもしれません。

補足となりますが、この科学技術振興機構は
失敗学(後に危険学)の畑村教授が統括しているのだそうです。

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